2012年 04月 20日
ロールキャベツはロシア生まれ? Голубцы ガルブツィ |
【Голубцы ガルブツィ】

ロシアのロールキャベツ、ロシア語ではガルブツィと言います。
ごく一般的な家庭料理で、ネットや本にはいろいろなレシピが掲載されています。私もオーソドックスな物からちょっと手の込んだものまでいろいろ試してみましたが、今のところイリーナからプレゼントされたこの料理本のレシピで作ったものが一番気に入っています。それが上の写真。

ロールキャベツって、いまや日本では”おでんだね”にもなるほどの人気メニュー。家庭でも簡単に作れる”おフランス風洋食”というイメージだったので、ずっとヨーロッパ起源の料理だと思っていました。
昨日のエントリ『ウズベク料理レストラン』の中に書きましたが、実は中央アジアに「ドルマ долма」という料理があり、これがロシアのガルブツィの原型と言われています。
ひき肉とゆでた米を混ぜたものをブドウの葉で巻き、トマトベースのスープで煮込んだもの。

確かに、中身はオーソドックスなロシアのガルブツィと全く同じです。
寒い国ロシアにはブドウの葉がありませんから、キャベツで包む形に姿を変えたと思われます。
日本ではロールキャベツの種にはパン粉を浸したものを混ぜ込みますが、ドルマもガルブツィもパンではなく「茹でた米」を使います。中央アジアではお米をたくさん食べるので、米を使う方がパンより手軽だったのでしょう。
ロシアに伝わった時には「米」を使っていたのに、なぜ日本のロールキャベツはパン粉なのか?
日本にはフランスから伝わったと思われるので、そこから探してみました。実は、フランスにはロシアから伝わった料理文化がいくつかあるのだそうです。
ロマノフ王朝時代、サンクトペテルブルクの都にフランスの宮廷文化が持ち込まれ、大勢の料理人が雇われたそうです。その人たちがロシアに伝えた料理もありますが、同時に彼らが自国に持って帰って広めた料理や文化もあります。代表的なものが、現在のフランス料理のコース。前菜、スープ・・・と順番に一皿ずつ出されるコース形式はロシア生まれなのだそう。ロシアは寒くて一度に出すと冷たくなってしまうからなんですって!
ロールキャベツも、その持ち出されたものの一つなんじゃないかと思うのです。
フランスではロールキャベツは「シューファルシ Chou farci」と言うそう。シューは”キャベツ”、ファルシは”詰めた”という意味です。
フランスのレシピをいろいろ見てみたら、面白いことがわかりました。
茹でたお米を入れるもの、乾いたフランスパンを牛乳に浸して入れるもの、両方使うものが出ています。お米を常食しないフランスではパンの方が便利です。ここでパンを使う形に変わっていったことが伺えます。
また、フランスでは一枚の葉で包むロールキャベツより、丸ごと一個のキャベツで作るシューファルシが主流のよう。なんでもすごく葉が硬いキャベツか、薄くて破れやすいちりめんキャベツしか無いからなんですって。→写真はこちら
ついでにアメリカのも見てみました。
なんと、アメリカではロールキャベツには「米」を使うそう!知りませんでした。移民の多い国、オリジナルのまま伝わったのでしょうね。こちらで日本人の方が紹介しています。→ロールキャベツの作り方 カリフォルニア
「なぜかアメリカではパン粉の代わりに炊いたごはんを使う」と書かれていて、こうして背景がわかって読むとなんだかおかしい。アメリカならパンの方が断然便利なハズです。(笑)
そして、このページに出てくる「ハリネズミミートボール」って、ロシアのヨージキ(ハリネズミという意味。米の入ったミートボール)のこと!
そんな風にいろいろ見ていくと、日本のロールキャベツは中央アジアのドルマ→ブドウの葉からキャベツへ→ロシアのガルブツィ→茹でた米から浸したパンへ→フランスのシューファルシ→パンからパン粉へ→日本に到着、こんな風にしてパン粉を使う料理になったと推察してみるのはどうでしょう?
いろんなレシピがありますが、わかりやすい動画をひとつ付けておきます。
日本のロールキャベツと大きく違うところは、パン粉のかわりに茹でた米を使う、煮込む前にフライパンで焼く、煮込むソースにスメタナ(サワークリーム)を加える、この3つ。中身は、ひき肉と米とたまねぎだけというレシピもあるのでいろいろです。この動画では最後オーブンで煮込みますが、普通に鍋で煮込む方が一般的のようです。
ちなみに私、パン粉入りのロールキャベツの方が好きです・・・(笑)
クリックすると募金サイトから1円募金できます。ご参加を!
【東日本大震災 クリック募金】

ロシアのロールキャベツ、ロシア語ではガルブツィと言います。
ごく一般的な家庭料理で、ネットや本にはいろいろなレシピが掲載されています。私もオーソドックスな物からちょっと手の込んだものまでいろいろ試してみましたが、今のところイリーナからプレゼントされたこの料理本のレシピで作ったものが一番気に入っています。それが上の写真。

ロールキャベツって、いまや日本では”おでんだね”にもなるほどの人気メニュー。家庭でも簡単に作れる”おフランス風洋食”というイメージだったので、ずっとヨーロッパ起源の料理だと思っていました。
昨日のエントリ『ウズベク料理レストラン』の中に書きましたが、実は中央アジアに「ドルマ долма」という料理があり、これがロシアのガルブツィの原型と言われています。
ひき肉とゆでた米を混ぜたものをブドウの葉で巻き、トマトベースのスープで煮込んだもの。

確かに、中身はオーソドックスなロシアのガルブツィと全く同じです。
寒い国ロシアにはブドウの葉がありませんから、キャベツで包む形に姿を変えたと思われます。
日本ではロールキャベツの種にはパン粉を浸したものを混ぜ込みますが、ドルマもガルブツィもパンではなく「茹でた米」を使います。中央アジアではお米をたくさん食べるので、米を使う方がパンより手軽だったのでしょう。
ロシアに伝わった時には「米」を使っていたのに、なぜ日本のロールキャベツはパン粉なのか?
日本にはフランスから伝わったと思われるので、そこから探してみました。実は、フランスにはロシアから伝わった料理文化がいくつかあるのだそうです。
ロマノフ王朝時代、サンクトペテルブルクの都にフランスの宮廷文化が持ち込まれ、大勢の料理人が雇われたそうです。その人たちがロシアに伝えた料理もありますが、同時に彼らが自国に持って帰って広めた料理や文化もあります。代表的なものが、現在のフランス料理のコース。前菜、スープ・・・と順番に一皿ずつ出されるコース形式はロシア生まれなのだそう。ロシアは寒くて一度に出すと冷たくなってしまうからなんですって!
ロールキャベツも、その持ち出されたものの一つなんじゃないかと思うのです。
フランスではロールキャベツは「シューファルシ Chou farci」と言うそう。シューは”キャベツ”、ファルシは”詰めた”という意味です。
フランスのレシピをいろいろ見てみたら、面白いことがわかりました。
茹でたお米を入れるもの、乾いたフランスパンを牛乳に浸して入れるもの、両方使うものが出ています。お米を常食しないフランスではパンの方が便利です。ここでパンを使う形に変わっていったことが伺えます。
また、フランスでは一枚の葉で包むロールキャベツより、丸ごと一個のキャベツで作るシューファルシが主流のよう。なんでもすごく葉が硬いキャベツか、薄くて破れやすいちりめんキャベツしか無いからなんですって。→写真はこちら
ついでにアメリカのも見てみました。
なんと、アメリカではロールキャベツには「米」を使うそう!知りませんでした。移民の多い国、オリジナルのまま伝わったのでしょうね。こちらで日本人の方が紹介しています。→ロールキャベツの作り方 カリフォルニア
「なぜかアメリカではパン粉の代わりに炊いたごはんを使う」と書かれていて、こうして背景がわかって読むとなんだかおかしい。アメリカならパンの方が断然便利なハズです。(笑)
そして、このページに出てくる「ハリネズミミートボール」って、ロシアのヨージキ(ハリネズミという意味。米の入ったミートボール)のこと!
そんな風にいろいろ見ていくと、日本のロールキャベツは中央アジアのドルマ→ブドウの葉からキャベツへ→ロシアのガルブツィ→茹でた米から浸したパンへ→フランスのシューファルシ→パンからパン粉へ→日本に到着、こんな風にしてパン粉を使う料理になったと推察してみるのはどうでしょう?
いろんなレシピがありますが、わかりやすい動画をひとつ付けておきます。
日本のロールキャベツと大きく違うところは、パン粉のかわりに茹でた米を使う、煮込む前にフライパンで焼く、煮込むソースにスメタナ(サワークリーム)を加える、この3つ。中身は、ひき肉と米とたまねぎだけというレシピもあるのでいろいろです。この動画では最後オーブンで煮込みますが、普通に鍋で煮込む方が一般的のようです。
ちなみに私、パン粉入りのロールキャベツの方が好きです・・・(笑)
クリックすると募金サイトから1円募金できます。ご参加を!
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by chigasaki-na
| 2012-04-20 13:45
| 美味しい?ロシア